不動産の遺産相続は相続登記が必要

人が死亡すると、亡くなった人(被相続人)が所有してきた財産は遺産となり、相続人がこれを取得していくことになります。遺産相続の手続きには被相続人の名義を、取得する相続人の名義に変更することによって成立します。例えば株券については株主の名義の変更を。自動車などは所有者の名義変更手続きを行います。不動産も同様の手続きが必要です。この場合には管轄の法務局にて相続登記の手続きを行い、不動産の所有権名義を被相続人から当該財産を取得する相続人の名義に変更することになります。この相続登記を行わなければ、遺産相続によって取得した不動産を第三者に売買することは出来ないのです。

不動産の遺産相続には相続登記が必要なのですが、その手続きで最も重要なのは『誰が対象となる不動産を相続するのか』ということです。被相続人が生前に遺言を作成しており、対象財産の取得者を指定している場合には、その遺言内容のとおりに所有権移転登記が行われることになります。しかし、遺言が作成されていない場合には、民法で規定されている法定相続分の割合による持分での取得。または遺産分割協議(相続人間での話し合い)で取得者を決定する方法となります(実際には、登記完了後の財産処分が容易であることから、遺産分割協議を開催して、特定の相続人が取得するケースのほうが多くなっています)。遺産分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成します。この書類は相続登記申請時に添付書類として提出する重要書類となります。この遺産分割協議の成立は相続人同士の人間関係次第では非常に困難となります。話がこじれてしまうと成立は困難となり、登記手続きが頓挫してしまうケースも少なくありません。

遺産分割協議が成立し、遺産分割協議書を作成(相続人全員の署名・押印及び印鑑登録証明書を添えることが必要です)することが出来れば、後の手続きは比較的簡単です。登記申請書を作成し、遺産分割協議書とその他添付書類(被相続人の出生から死亡までの原戸籍・除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、取得者の住所証明書、固定資産税評価額証明書)を管轄の地方法務局窓口に提出することによって申請は完了します。法務局によって登記完了までの期間は異なりますが、約1週間程度と考えておけばよいでしょう。登記完了または申請書に訂正等がある場合には法務局から連絡があります。連絡を受け取った後は法務局の窓口で登記識別情報と呼ばれる書類(昔でいうところの権利書)を受領します。登記識別情報の受領によって相続登記の一連の手続きは全て完了となるのです。

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