遺産相続における、相続対象となる不動産の処理を考える

身内の死去により、遺産が残された場合、その相続においては、様々な手続きが必要となります。
遺産は、預貯金などの債権と現金や車、家財道具のような動産と家や土地などのような不動産に分類できます。家財道具のように、所謂、形見分けと言われる分配で済ますことのできる動産もありますが、いろいろとややこしい状況が生まれるのは、やはり相続対象となる不動産の遺産分割の手続きと言えます。

ここで、仮定の人物像を想定して、不動産の相続について考えてみましょう。
仮に主人公をAさんとします。このAさんは、都心に家がありながらも、実家のある九州の田舎町で闘病生活を続けていた父親の面倒をみておりましたが、その甲斐もなく亡くなってしまいました。葬式には、法定相続人となる、すでに亡くなっていたAさんの兄の二人の子供たちも来てくれました。Aさんの母親は既になく、相続は、二人兄弟だったAさんと兄の残された二人の子供たちBさん、Cさんだけとなります。そこで、取り敢えず、遺産のあらましを、三人で調べてみることにしました。預貯金や現金は、ある程度、生前時に父親から話を聞いており、把握はできている状態でした。家財道具などの動産関係もほとんど価値のあるものはなく、形見分け程度で済みそうでした。結局、後の遺産対象は、やはり、父親の残した家や土地と言った不動産になりました。処分するのか、暫くは田舎の付き合いも考えて残しておくのか、その辺りも問題となりますが、いずれにしろ、故人から法定相続人である3人の内誰かに、もしくは3人の共有名義として名義変更する必要性があります。

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まずは、家を残して置く場合ですが、この際は、3人の内誰かが単独で相続する場合と、土地を3分割し、それぞれを3人の単独名義とする場合の現物分割という方法があります。広い土地ならばともかく、普通の田舎の民家を3分割して相続することは、今後を考えても3人には得策とは思えません。同じくその遺産の土地建物を3人で共有名義にする方法もありますが、今後何をするにしろ、3人の書類と印鑑が必要になり、不便極まりなく、こちらも二の足を踏む裁定と思えます。
となると、3人の内、誰か一人が相続する形とし、単独名義にする方法が便宜上望ましいと思えました。結果、代償分割と言われる相続方法に落ち着くことになりました。つまり、今回の場合は、Aさんが土地建物の遺産を相続し、その代わりとして、それに見合った現金をBさんCさんへ手渡すというものでした。法定相続人の権利に従い(Aさん1/2、BCさん1/4)、その土地建物の5割の価値分を現金で、Bさん、Cさんに支払うこととしたのです。
勿論、さっさと売却して、売却益を3人で分ける方法もあります。しかし、暫くは、家を田舎に残しておきたいという意向があれば、この代償分割という相続方法が望ましいと言えます。

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